ボクらの時代に地頭力が必要な理由とその方法論
日曜の朝に、わりと欠かさず見ている、「ボクらの時代」。
糸井重里さんが出演されていた放送がどうしても見たくなり、youtubeで検索すると、気になるチャンネルがあったので思わず見てしまった。
”クローズアップ現代「地頭力を鍛える」(ゲスト:糸井重里氏)”
【メモ】
・マイクロソフトの入社試験「富士山を動かすとすればどうしますか?」。
・地頭力は「仮説・論理・スピード」(ブースアンドアレン)。
・学生がビビッている就職試験で思い切った答えを出せるかどうかで人間味が見える(糸井重里氏)。
・糸井さんが考える地頭力とは「友達同士として生き生きとやり取りができるか」。
・地頭力を評価するためのテストに答える学生以上に問題を作る企業が悲鳴を上げている。
・ワークスアプリケーションでは、新卒採用の際、倍率10倍で選び抜かれた400名に対して、
日当1万円で1ヶ月の「ゼロからイチを生み出す」地頭力を見るための課題つき研修を行う。
・ワークスアプリケーションの新卒採用費は20億円。
フェルミ推定の本を読んで以来、注目していたキーワードではあった。
最近読み終えた、海部美知さんの「パラダイス鎖国」から現在の日本の状況をクリアにしておいたことで、
「何故、今[地頭力]が必要か」
という質問にはどうやら答えられそうである。
以下、「パラダイス鎖国」からいくつか引用してみた。
「追いつけ追い越せ」時代、その延長である「果てしなき生産性向上」時代を経て、
現在の日本は、欧米の大国と同様に「大きいがゆえの悩み」時代へと変化している。
同じステージにある大国仲間は、もはやお手本ではなく「同輩」である。
世界のどの国も、そっくりお手本にすることはできない。
境遇の似た仲間もいない。前例もない。孤高の日本は、そういう時代を迎えている。
その時代にあって、前に進もうとすれば、その方向は自分で考え出すしかない。
プロセス効率化の得意な日本人は、「次に来るのは半導体産業」といった指標があればそれに向かって
いっせいに進んでいく。しかし現在の問題は、すぐ先に見える程度の短期目標までしかはっきりと見えなくなり、
もっと長い先のことが見えにくくなっていることだ。それは技術進化のスピードのためでもあり、
また日本の産業構造が世界のトップに行き着いてしまったせいでもある。
霧の中で見えないものに向かって敢然と進むこと、あるいは、他の人には見えないけれど自分だけに見えるものを探すこと。
こうした、自分にとって必ずしも楽ではないことをやってみようということ、
それが「フルモデルチェンジ」を目指すシリコンバレー方試行錯誤方式なのである。
従来、必ずしも日本人が得意とするやり方ではなかった。効率優先、リスク回避の体質には合わないのである。
しかし、豊かになった日本では、既定ルートを外れることが必ずしも「破滅」を意味しないだけの余裕が、
実はできている。以前に比べれば、転職市場も大きくなっており、夫婦共働きならば、
お互いにリスクヘッジできる。起業したりフリーランスになることも、あまり抵抗感がなくなってきている。
会社に勤めなくても、ネットを通じて人と出会ったり仕事をこなしたりすることも可能だ。
上記の引用にもあるとおり、前例があり、追いつき追い越せの時代は終わり、何を生み出していくかが問われる時代。
ゼロからイチを生み出せる力がより必要になってくる。企業に一生所属をするとは限らない、
自分がいつ裸になってもおかしくない時代。いい大学に入ることでも、大企業に入ることでもなく、
この力を鍛えることが人生におけるリスクヘッジとなる。
海部氏が「世界経済の中での日本」という軸に前例のない世の中を表現されている一方で、
梅田望夫氏や茂木健一郎氏は現在のウェブ進化を軸に大きなフロンティアの可能性を表現している。
梅田氏の言葉を借りれば、「産業革命以来」、茂木健一郎氏の言葉を借りれば、
「言語以来」というスケールである。
今の日本には、この二つの軸がいわば三角波のように交差して、大きな波がやってきている。
その波にテイクオフできるか、それともワイプアウトしてしまうかは、リテラシー次第。
糸井氏も仰っていたが、地頭力を身につけることは経験による部分が大きく、一長一短で身につくものはない。
そんな中でも「地頭力を鍛える」に書かれている、フェルミ推定のトレーニングはやる価値はありそうだ。
本を読まなくても、以下のブログで例題を見ることができる。
■CAテクノロジー・小越崇広氏のブログ「今日のニッパウ」
http://ameblo.jp/nippau/theme-10006728062.html
このような時代背景の中、ウェブリテラシーを身につけること、
そして経験を積み地頭力を向上させていくことが今後より重要になってくる。
「ゼロからイチを生み出すこと」は容易ではないように思える。
しかしながら、「ゼロから」生み出しているように見えるものでも実は既存の要素の組み合わせでしかない。
ジェームズアレンの「アイデアのつくり方」では、
「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」
と表現している。今後は、
「ウェブ+○○」
という新しい価値、そして「新しい職業」が生まれてくるだろう。
ドリコムの内藤社長のブログで、「これからのネットビジネスの潮流、5つのポイント」というエントリーがリアルタイムで更新されているが、
鋭い視点でネットとリアルの融合を予測している。「其の四」は人材業界に関するエントリーだが、正直、「ホームで負けた」と思わされた。
まだまだ未熟だと思わされた。
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