8年後、12年後のスイマーのために。

【伊藤、森田らスピード社製試着】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080517-00000110-jij-spo


昨日の日大・中大対抗戦に参加した伊藤華英森田智己佐藤久佳選手が、
スピード社レーザーレーサーを着用し、好タイムを出した。


今日も早大・慶大対抗戦があり、藤井拓郎選手が出場するだろう。
着用可否の結論はジャパンオープン後の6月10日の日本水連常任理事会にて決定。
もう、暗に決定が出ているのかもしれないが、是非とも五輪本番での使用を認めて頂きたい。


競泳の場合、五輪予選、五輪本番直後に多くの主力メンバーが引退することが多い。
北島康介選手も


・次回ロンドンオリンピックでは30歳
・この4年間で何度となく報道されたケガの状況を考えると満身創痍である
・たびたびイベントを主催し、水泳普及に向けて活動


このような状況である。


同じ事務所に所属する中田英寿氏とも共通点が多く、引退の可能性は高いと考えられる。


・主力メンバーの引退
・道具により他国よりも不利な状況に追い込まれる


上記2点により、長野五輪以降のスキージャンプ日本代表の不振のような状態になることが最大の懸念である。


引退に関してはタイミングであり不可抗力ではあるが、
道具に関してはスポンサーの状況もあるが、日本水連には前向きな決断をお願いしたい。
そして、予測される「取り返しのつかない不振」を防いで頂きたい。


もし、スピード社水着の本番着用を採用せず、日本が大惨敗に終われば、
今後の水泳界に負のスパイラルが訪れる可能性がある。


北島康介選手はバルセロナ五輪の林亨選手の泳ぎを見て、本気で五輪を目指した。
今回の北京五輪もたくさんの子供達、将来のオリンピック候補がテレビで見ている。
「彼ら」にテレビを通していかに刺激を与えられるかが、8年後、12年後、
そして16年後の五輪の結果に直結する。


それくらい、オリンピックの結果は良くも悪くも破壊力がある。


スポーツといえど政治的側面が強い場面が存在する。
欧米に比べ国際連盟に人を送り込まないために日本人に不利なルールに改正されることが
さまざまな種目において散見される。
国内でも今回のようなスポンサーがらみの問題で選手に無駄な精神的負荷を与えてしまう。


サッカーワールドカップをはじめとして、スポーツビジネスが肥大化する中、
そのような政治的な問題は今後より一層色を強めていくだろう。


スポーツの醍醐味ともいえる公平さや潔さがそのような政治的な問題により
霞んでしまうのは非常に残念なことである。


大学時代、スポーツ政治学の際、登壇した教授が始めに発した言葉が印象的で今でも覚えている。


「スポーツの世界の主役は君たち選手じゃない」


いっそのこと、水着はFINA指定の全員同じ水着にしたら良いのではないかと
考えてしまうのは私だけだろうか。