日記を書きたくない


最近様々なブログに目を通している中でふと気づいたことがある。それは、ブログの大半は2種類のブログに分類されるということである。それらの分類が見え出した今、自分のブログに対する目的意識が見えたような気がした。2種類とは、


1.日記風ブログ
2.コラム風ブログ


である。それぞれの特徴は下記のとおり。


1.日記風ブログ
サイバーエージェント社の「ameba」内コンテンツ「アメブロ」に多く存在する、有名人ブログの大半がこれにあたる。ブログ筆者のファンや知り合いが、その人自身に興味を持ち、「その人が今日何をやって、何を感じたのだろう?」といった彼・彼女らの疑問を解決してくれる、いわば"日記の覗き穴"として成り立つ。一方でアメーバの芸能人ブログを読んでいて、商談に使える話としてメモを取ったり、そのページ自体をブックマークすることは少ない。そして、読者も、それを求めていない。芸能活動をする上でファンに向けて、また、普段なかなか会えなくなってしまった友人に向けての定期的な活動報告の役割を果たす。ほっしゃん。が某番組で顔出し交渉の際使う、「元気やでぇ〜」に近い。ファンと知り合い以外がこのようなメディアに積極的かつ定期的に触れる理由はない。よって、ファンと知り合い以外の読者がつくことはない。一般人の日記の価値がないのと同じである。例えば芸能人でもない私が、このような種のブログを毎日書いたとしても、せいぜい読者は増えても数十人だろう。


2.コラム風ブログ
いわゆる"a-listブロガー"や"アルファブロガー"と呼ばれる人たちのブログがこれに当たる。その人の考え方に触れたいという想いから定期的に訪れる読者が大半。読者の感覚としては、「本を読む」や「新聞を読む」に近い。私も名も所属も知らない方のブログを定期的に訪れるが、極端に言えば、この種のブログは自分に興味がない人からも、読まれる可能性がある。このことは、「読者が増える可能性は限りがない」ことを意味する。コラムのような記事に限らず、例えば「株情報」や「サーフィン波情報」など、不特定多数に意味を持つ内容のブログもある。


・辰巳渚 著「捨てる!技術」
山田真哉 著「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」
渡辺淳一 著「鈍感力」


これらの共通点は、「著者よりもタイトルの方が有名」だということ。この種のブログもそのような本と同様に "一人歩き" する可能性を秘めている。



上記2パターンの種別をまとめると、下記のようになる。


1.日記風ブログ
【内容】筆者の生活やそこで感じたこと
【対象】ファン、知り合い ⇒ 限定的
2.コラム風ブログ
【内容】筆者の考え方
【対象】知り合い、考え方に賛同する人 ⇒ 非限定的


私個人としては「2.コラム風ブログ」を書いていきたいと考えている。しかし、要素として「1.日記風ブログ」も一部取り入れていきたい。例えば、人に薦められた本を読んで、気に入って、読んでしまった。「どんな人がこの文章を書いたのだろうか。」と興味を持ち、表紙の後ろのプロフィールを読んだことは私に限ったことではないだろう。文章に興味を持ち、その後文章を書いた人自身に興味を持つことは自然の流れである。その読者の気持ちを無意識的に満たしていくためにも、普段の出来事をブログに取り入れたい。例えば私の場合であれば、「サーフィン」や「水泳」を通じてそれらを表現をしている。勝間和代氏や本田直之氏もブログによって自己を定期的にアウトプットさせていくことを推奨されているが、「日記を書け」ということではないだろう。目的意識が見えた今、あとは手段として何が必要かと考えてみると、キーワードとして5点が挙げられる。


文章力 ⇒ 文章自体を魅力に書き上げる力。キャッチコピー。
日ごろのアンテナ ⇒ 必ずメモ持参し、アイディアを構築。
ブログ構築知識 ⇒ スタイルシート、HTML
一般常識、一般教養 ⇒ 新聞、雑誌、書籍、ビジネス経験から会得
独自性 ⇒ 私の場合であれば、水泳とビジネス


改めてまとめてみると、仕事においても、人生においても必要なスキルであることが分かる。日々これらのスキルを高めていきたい。例えば、今回のタイトルはいつもとは少し異なる「変化球」にしてみた。このような「仕掛け」によって記事を見に来る人がどう変わっていくのかを観察し、次に生かしていくことも必要だろう。


話は変わるが、今週の「Number」は定石通り、オリンピック特集であった。


当然のように北島康介選手の記事がトップ記事として掲載されていたのだが、その記事を読み、コラム筆者と北島選手との距離の近さを感じた。当然、Numberのコラム筆者となれば、それだけの至近距離で仕事をされるのだろうと自分に言い聞かせていたが、読み終わった後にコラム筆者の名前を見た瞬間にその距離の近さの理由がすぐに理解できた。記事の筆者の井本直歩子さんは現役時代、1歳年上で同じ所属クラブ・イトマン千葉すずさんらと共に日本女子自由型界をリードした御方である。私も一度、遠征でご一緒したことはあるが、留学後はお話しする機会も無く、10年近く経ってしまってはいるが、是非再度お会いし、一度その文章力の秘訣や、セカンドキャリア成功の秘訣をお伺いしたいものである。