一流に触れることで無くなった境界線

以前、スポーツうるぐす江川卓さんがしきりに話をしていたことで、強く意識していることがある。


「一流になりたければ、一流に触れなさい」


一流に触れ、実際に意識が変わった実体験がある。
運良く筑波大学に入学することが出来、一流に触れる機会をたくさん頂いた。


入学すると、同期でシドニーオリンピック行きを決めた選手がいた。
他の同期も半数以上がインターハイ表彰台メンバーで4年後、8年後のオリンピック有力選手ばかり。
事実、うち一人はアテネオリンピックに出場。
後輩として後に北京オリンピックメドレーリレー銅メダリストになる宮下純一が入学。


また、水泳部の外にも多く一流に触れる機会を頂いた。
同級生には後に「女三四郎」となる谷本歩実選手、当時超高校級と呼ばれた陸上女子長距離の藤永佳子選手など数え切れないほどの一流選手がおり、同じ授業に参加した。


そんな一流の方々と触れ合い、感じたことは、一流選手の多くは特別な才能や特別なレッスンをしているのではなく、他の人よりも高い目標意識と、努力をしており、他の人と同じように苦しみながら、練習を積み重ね、地道に王道を進んでいるということだ。


事実、藤永選手を大学構内の至る所で目撃した。他の誰よりもウォーキングを重ねていた。
大学入学後、結果として怪我により思うように結果が残せなかったが、人一倍努力を積み重ねていたように思う。
現在も資生堂に所属し、一線で走っているようだ。


その気付きが、一流選手と自分との間に勝手に感じていた境界線を消してくれたのだ。
「あの人たちは違うんだ」という境界線は結局は自分に言い訳をしていたことで生まれた産物に過ぎなかった。
自分の弱さを気付かされ、それを認めることが一流への第一歩と感じた体験であった。



東京という土地柄、ありがたいことに多くの一流に触れる機会がある。


先日は浅原選手の引退レースも目の当たりにすることが出来た。
スポーツに限らず、食やビジネスなどジャンルを問わず一流が多く存在する。


先日お会いしたライターの方も、
「自分の『いいものを書く』感性を刺激するために、定期的に自分が一流と思う場所に行ったり、食事をする」
と仰っていた。


今日はレスリング世界選手権が近くの代々木体育館で開かれることを直前になって知る。
本日出場する吉田沙保里選手、浜口京子選手は世界を何度も制した「一流」。
早速向かうも当日券が無く、敢え無く受付ブロック。


めげずに一流に触れていきたい。