競泳が、F1化し、テコンドー化し、スキージャンプ化してしまう懸念材料


先日、大学時代の水泳部の後輩と飲んでいた時の彼の一言。


「もう、全員、同じハイレグの海パンで泳げばいいんすけどねぇ!」


現役時代、日本代表の合宿まで参加した経験を持つ、
彼の言葉は酔いながらも、決して軽いものではなかった。


平井先生のblogを見ていると、水着を取り巻く情勢が手に取るように分かる。
せっかくなので、引用させて頂く。


日本では再提出の水着が通って、安心しているだろうけど、私はそうは思わない。
こちらのオーストリアのコーチ、エルゲと選手のドミニク、そしてドバイのコーチ・クリスと話をしたが、体の小さい日本人より、体格の大きい人種の方がラバーの効果が大きいのではないかという結論になった。


あと、エルゲとドミニクとの会話。
テクニックの良い選手は、ラバーの恩恵が少ないけれど、悪い選手ほど記録の上がり幅が多いと思うということ。
それに対して私も賛成意見です。


是非、研究して証明して頂きたい仮説である。
もし事実であれば、日本人には大変不利な事実であり、良くない流れだ。


競泳に限ったことではないが、日本人は元来体が小さく、技術力でカバーをしてきた。
平井ヘッドコーチのエントリーを見た時、スキージャンプ日本代表の”青の時代”を思い出した。


長野五輪以降、板の長さの上限に関して、身長が低いほど不利と言われるルールに変更後、
(現在は別のルールに改正されている)
オリンピックはおろか、ワールドカップの表彰台すら遠のいた時代があった。


日本の競泳陣もようやくここにきて、四年に一人ほど、ダークホースとしてではなく、
本命として金メダルを狙える選手が出てくるほど、
自由形以外の種目においては)世界との距離が縮まったにも拘らず、また開く懸念が沸いて来た。
現在の水着至上主義の流れに危機感を感じずには居られない。


しかしながら、今更この流れは止められないだろう。
FINAには明確な基準の下、公平なレース環境づくりに努めて頂きたい。


再度、平井ヘッドコーチのblogより。


ほんとかどうか知らないけれど、こちらの情報ではJakedは何も訂正せずに再提出をしたら水着が通ったらしい。
それで、ヨーロッパのコーチ連中が怒っているわけです。

それを聞いてがっかりくるよね、普通は。


国際水泳連盟に対して、いろいろなコーチは不満を漏らしている。新しい組織を作ろう、コーチを中心とした組織を!といったことを言うコーチもいる。こちらでもそうだ。ローマでコーチ会議を開こう、お前の意見はとても重い、みんなで話し合おうといった提案を受ける。

現場の意見を反映させにくい連盟は必要であるか?

まあ、ローマで何らかのアクションがあるであろう。
2010年以降は、本来の競泳競技に戻ってくれることを期待する。


上記結論に対する事実関係は当然ながら未確認ではあるが、
このような後ろ指を刺されるような状況が続くようであれば、
本当に新しい連盟が出来てもおかしくない。


テコンドーでも以前ひと騒動あったが、
連盟分裂による混乱は選手に決して良い影響を与えることは無い。


もうすぐ世界選手権も始まる。
水着騒動が年内いっぱいでひと段落し、ロンドンまでの3年間、
選手が集中できるような状態になることを願うばかりである。


道具が勝敗を大きく左右するスポーツは他にもある。


F1は現在8戦を消化し、ブラウンチームが独走態勢ではあるが、
昨年まで常にドライバーズポイントのトップを争っていた、
マッサ、アロンソ、ハミルトンの3人は今季一度も表彰台に上っていない。


マシンとドライバのパフォーマンスに占める割合は9対1と言われている。


一方で相撲やレスリング、柔道などは道具による相対的な影響が少ないため、
プレイヤー自身の実力どおりの結果になりやすい。


大鵬吉田沙保里選手、谷亮子選手らが連勝記録をつくるのはそのためだ。


波乱が少ない分、面白みが無いという見方もある。


プレイヤー心理としては努力した分だけ結果に繋がるほうが頑張れると思う。


努力の結晶がパフォーマンスとなり、人を惹きつけ、感動させる。


それがスポーツの本質だと思う。





先日、千駄ヶ谷で目立つ親子が居た。


親はプールサイドでストップウォッチを片手に、
子は入江陵介モデルと思われる、アリーナの最新水着に袖を通し、
100mを背泳ぎで泳いでは、その度プールサイドに上がり、
親にタイムをチェックし、水着の感触を報告し、指示を仰ぎ、プールに戻る、を繰り返す。



「泳ぎのための練習」
ではなく、
「水着のための練習」
である。


違和感を感じずにはいられなかった。


その様子をプールで泳ぎながら、
「泳ぎでは勝てるが、レースで勝てない」
「泳ぎでは勝てないが、レースでは勝てる」
という状況が今後、必ず出てくるであろうことを想像した。


「あの頃はよかった」と、
引退の頃でもスパッツ止まりであった自分達の時代を美化し過ぎているだけなのかもしれないが、
時代の流れという言葉では決して片付けたくない場面だった。


≪参考≫
■チーム平井練習日記
http://gold.ap.teacup.com/nori0531/


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