09/07/11 東京アイランドシリーズ 第15回新島オープンウォータースイミング大会 4.5km 優勝 【前編】「イケメンアスリートの金魚の糞になること」

正直に言ってしまうと、今回はレースをする前から失敗だった。



未知の距離にして、未知の個人種目。


レース前の目標は、”優勝”という結果ではなく、


「ひたすらついていくこと」


この1点だけであった。


プールという温室育ちの私にとって、オープンウォーターは、
外部要因があまりにも多すぎる。


その最たるものとして、コースロープが無い上に、
波や潮の影響を受けて蛇行する泳ぎを修正するために、
ヘッドアップ(顔を上げながらスイムを行うこと)を行わなければならないことが挙げられる。


トライアスリート、オープンウォータースイマーといった海慣れしている彼らと比較して、
温室育ちにとっては明らかに苦手な泳ぎ方である。


どんなに遅いスピードであっても、ヘッドアップを頻繁に行いながら、
1時間以上も泳ぐことは”海初心者”にとっては体力面でいささか不安であった。


そのリスクを最大限にヘッジするために、先頭のスイマーについていき、
そのスイマーの足を頼りに泳ぎ続けようと考えた。


マーク対象も実はスタート前から決まっていた。


平川太陽選手


昨年のこのレースの覇者であり、スイムを得意とする、イケメントライアスリートである。


同い年でもある彼とは、前回の5月の新島トライアスロンで、
バーベキューをご一緒させて頂いたことはあるものの、言葉を交わした記憶は無く、
恐らく、彼にとっては、私が共にコンロを囲んだ一員であったことすら覚えていないだろう、
と予想していた。


さらに、そんな私の身勝手且つ歪んだ目標を知る由も無く、
顔が割れていないほうが都合の良いこの目標の達成のために、
遠目で彼のウォーミングアップをしている様子を観察。


彼以上のパフォーマーが居ないことを確認し、自分の準備運動も行う。


お互いウォーミングアップを終え、形式ばかりの開会式を待っていると、
油断している間に、平川選手が目の前に。


予想に反して、顔が割れており、私の腹黒い企みとは裏腹に、
目の前に広がる新島の透明な海と砂浜に負けない爽やかな笑顔で、


「今日、同じ宿ですよね!宜しくお願いします!」


人は面食らった瞬間、隙ができるものである。
その爽やかさに思わず目標変更をするところであった。


しかしどんな状況であろうと、目標に向かって邁進するのがプロである。
スタートラインの左端でお父さんに向かって手を振る平川選手の直ぐ後ろにスタンバイ。
顔が割れていようと、金魚の糞と言われようと、目標に近づくのみである。


そしてスタート


実は平川選手の隣ではなく、後ろについた理由がもうひとつある。
「飛び込みのタイミング」である。


温室育ちはスタート台からしかスタートをしたことが無い。
前回の新島で海のスイムを初めて経験した時、砂浜ランからスイムに移行するタイミングが
全く分からなかったのだ。


勝間和代氏も言っている、「『まねる力』が私のコアスキルである」と。
武道や茶道でも「守・破・離」という素晴らしい言葉がある。


平川選手の「飛び込む」ポイントを後ろから確認し、
全く同じタイミングで飛び込もうと考えたのである。


結果的には成功した。
砂浜ランからスイムへの移行はもちろん、
今回の1.5km周回コースではゴール時含め3回訪れる、
スイムから砂浜に”上陸”するタイミングも完全にまねることでスムーズな移行ができた。


レース以後の内容は、後編にて。


続き
「09/07/11 東京アイランドシリーズ 第15回新島オープンウォータースイミング大会 4.5km 優勝 【後編】
「MONGOL800の名言に気づかされた、『勝負に勝って、レースで負けた』ということ」



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