【結果報告】はつかいち縦断みやじま国際パワートライアスロン大会2010 リレーの部 5位(区間1位)「新島二連覇に向けて現役プロアスリートから頂いた無言の教えと有言のアドバイス」


伊藤博文
夏目漱石
森鴎外
昭和天皇陛下
古橋広之進
小泉純一郎


大会前夜。


東京から応援に駆けつけてくださった、サポーターの御計らいで泊まらせて頂いた、宮島の名宿「岩惣」。


■宮島「岩惣」
http://www.iwaso.com/


誰もいない新緑映える深夜の桧風呂に浸かりつつ、錚々たる歴代宿泊者を思い浮かべながら、翌日の本番に向け、
どう歴史に名を刻もうか、イメージしてみる。



少し大げさな表現でしたが、普段は遊泳禁止であろう世界遺産の鳥居の下からのスタートという、
大変厳かなレースということもあり、またプロのトライアスリートと肩を並べてスタートが出来るということで、
練習量とは間逆ですが、いつものリレー競技とは異なる、テンションの高さで競技に臨みました。


目標は、スイム区間トップ。
リレー種目のトップではなく、個人合わせて約400名中トップでの"本土上陸"を目指しました。


武友潤選手。
現在、日本ランキングで8位に位置する競泳出身の現役プロトライアスリートで、去年のこの大会の優勝者。
去年の区間タイムを見ても、彼以外にライバルは見当たりませんでした。



スタートは楽にスムーズに。
干満の差が3mもある瀬戸内海。満潮時の鳥居周辺は足も着かず、初めてのフローティングスタートでしたが、
スタート後100mくらいで集団を抜け出し、先頭に立ちました。


海の試合で先頭に立つことの気持ち良さは、去年の新島で味わって以来、病みつきに。
前には誰もいない海が広がり、後ろには多くのスイマー達。
そう何度と味わえるものではありませんが、コースロープで区切られた室内プールでは味わうことが出来ません。
拓けた視界と、心地良い疲労感が必要以上にドーパミンを促している、久々の感覚。
鳥居の前で大変おこがましいのですが、「制覇」という言葉が頭の中を過ぎりました。


そんな新島以来の感覚は去年のチャンピオンの”せっつき”により一瞬にして消え去りました。
私が集団から抜け出した直後から、どうやら彼は真後ろに付いていた様子。
オープンウォーターと競泳の違いのひとつですが、人の後ろに付くことで、水抵抗を最小限に止めることが出来ます。


スピードが落ち着いてきた私を見かねて、後ろから足を叩いてきました。
かと思えば腋下に近づいてきて、無言のプレッシャーを与えてきました。
競泳とは異なる、初めて味わうプロとの駆け引き。


スイムで勝負をかけている(一方的)以上、相手に体力面で有利な戦いを避けようと、
バテたふりをして、後ろに下がりましたが、意図的なのか彼の後ろに付くことは思った以上に難しく、
気づいたらまた前で泳いでいたり、並走したり、惑わされているようでした。


結局、直後に急勾配を上るバイクが控えている武友選手にあっさりスパートされ、
仕事の忙しさを理由に、月間10km程度の練習量では踏ん張ることも出来ず、悔しくも約30秒差でトランジッションへ。


2時間30分の急勾配バイク、そしていつもの"常勝"パートナー野本氏の1時間20分の20km走を終え、リレー5位でフィニッシュ。



レース直後には過酷な3種目を終えた武友選手と表彰式直前までお話をさせて頂きました。
共通の知り合いの話題のおかげ様、大変お疲れの中、とても有意義なお話をお伺いすることが出来ました。
現役日本ランカーの最先端のお話はお金を出して買えるものではありません。


出し惜しみしているものもありますが、おもにこんなことを教えて頂きました。



・プールでは遅いのに、海では速い人の共通点は、プルが強いこと
・バタ足が異常に遅いプロトライアスリートは多い
・浮力を生かして体を上下させながら泳ぐ泳ぎ方は有効
・上半身は「より高く、より前に」が基本
体幹のローリングは人による。競泳と違ってまったくしない人もいる。
・ウェットスーツは日本製が断然質が高い
・ウェットスーツは体系の変化に合わせて都度補正をするべき
・ウェットの中に水が入ってくることは良くないので、補正をするべき
・ロングジョンよりはフルスーツ。腕は動かしにくいが、浮力が全然違うのでフルスーツのほうが速い
・人の腋下について泳ぐ方法が一番省エネ。400mで10秒くらい違う選手でも楽に併走できる
・腋下の次は足首が見える位置。ヘッドアップをしない分、無駄な体力消費が無い
・100mのスピードは要らない、五輪選手で100mは全力でも59秒しか出ない選手もいる
・ブイの回り方はテクニックによって全然タイムが変わる。回る瞬間に前の人を飛び越えると勢いに乗れる



来週は2連覇がかかった新島オープンウォーター4.5km。


相変わらずお恥ずかしい限りの練習量ですが、私の語彙力では表すことの出来ない、去年のあの気分を再び味わうべく、
武友選手や福岡の今井亮介さんから教えて頂いた理論を参考に、勝ちにこだわりたいと思います。


朝早くから応援頂いた三井楽走会のお二方(写真、使わせて頂きました)、
東京から来てくださったスペシャルサポーター、
広島支店メンバー、
鳥居に対抗して、海中観覧車を提案してくださった小泉さん、
ごうはらさん、野本さんとそのご家族の皆様、
東京出発前に発破をかけて頂いた皆様、
レンタルサンクスgakuさん、
ご声援有難うございました。