立川とお台場、現場でしか見られないトップアスリートの涙


悔しさは目的意識の強さに比例する。


4年前、2年連続で僅かな差で箱根の切符を逃した、当時の主将の悔し涙は、今でも目に焼き付いている。
立川で行われた箱根駅伝予選会で岡田正裕新監督擁する拓殖大学は、今回見事トップ通過を果たした。
ジョン・マイナ選手の活躍、岡田マジック、勝因はひとつに絞るものではないが、
4年前の悔しさがこの結果に繋がっていることは間違いない。


皮肉にもその拓殖大学が予選会で涙を飲んだ同年の2006年大会で、
岡田監督が優勝に導いた亜細亜大学が今回10年振りに予選落ち。
翌年の2007年大会で「山の神」今井正人選手を擁し優勝した順天堂大学
そして44年振りの予選落ちとなる大東文化大学と、3チームの名門が箱根の切符を逃した。


そんな秋晴れの空の下で、どの大学よりも悔しさを露わにしていたのは法政大学だった。
既に集計が終わっているのか順位発表がおこなわれる前から、そのオレンジの陣地だけは空気が異なっていた。
4年前、テレビを通して見た、同系色の選手たちの姿に重なって映った。


悔しさは目的意識の強さに比例する。
来年以降の法政大学に勝手に期待したい。





翌日はお台場でトライアスロン日本選手権を観戦。
男子は高濱邦晃選手、そして宮島で一緒に泳いだ武友潤選手を応援。
女子は大けがから復帰した上田藍選手を応援。



佐藤優香選手。
2年前、西武園のアクアスロン大会で同じプールで見た表情とは別人のように異なっていた、まさにアスリート。
今年8月の第1回ユース五輪で優勝し、日本を代表するトライアスリートに成長し、臨んだ今大会。
レース後の大粒の涙が4位という順位が目標以下だったことを物語っていた。
悔しさは目的意識の強さに比例する。
まだ18歳、伸びしろを考慮すれば2年後、JTUが掲げる「五輪でメダル」も夢ではない。



田山寛豪選手。
山本良介選手が「今年は細田選手以外には負ける気がしない」とコメントするほど今年は怪我に泣かされていた。
そのような状態の中でも山本選手に続き二位に。
先日、とある競技の元世界選手権代表の方との話で、腹オチしたこと。
「レース後のアスリートに対して本人が満足していない結果に対して『良かったですね』と声を掛けることほど失礼なことは無い」
「今年は山本VS細田」という会場に流れる空気に反する結果に、
ゴール直後の同い年のデフェンディングチャンピオンに対して思わず「良かった」と反応した自分が情けなかった。
レース後、地元・大洗町の応援団に囲まれた田山選手は声を掛けられるたびに涙ぐんでいた。
5連覇を逃した個人的な名誉のためではなく、期待し、支えて頂いている方々の期待に対する涙に見えた。
最近、国をあげて企業と選手のスポンサーマッチングをおこなうような動きもみられるが、
田山選手に対する地元の暖かい応援に真のスポンサーシップを垣間見た気がした。





明日は競泳ワールドカップ、再来週はスカッシュの全日本選手権