(仮題)スポーツを利用して儲ける方法


あえて、こんなどぎついタイトルをつけてみる。


真のタイトルをつけるとすれば、
サニーサイドアップ楽天に見る、ブルーオーシャン戦略と『新しい職業』」
といったところだろうか。


マクロで戦略的な話になるが、儲けにくいといわれるスポーツでビジネスを行うには、
今後、webの力が必要になるのではと考えている。


web世界により作られた、梅田望夫氏の言う「チープ革命」と「ロングテール」により、
ローリスクな、浅く広いブルーオーシャンが広がっていると考えられるからだ。


実際にサニーサイドアップ社などはwebをPRツールのひとつとして、クライアントに価値を提供している。


一見果てしなく続く、あちら側の”浅瀬”ではあるが、整備が追いついていないこともまた事実。
”浅瀬”の遊泳範囲は以下の2点によって定められると考えられる。


テトラポッド ⇒ 国が定めたルール、法律
遊泳可能区域 ⇒ 定性的な、いわゆる”常識”や”世間体”


テトラポッドと遊泳可能区域の中で、「いい子ちゃん」としてビジネスを続ける事もできる。
しかしながら、この場合はレッドオーシャンと隣り合わせであり、
ちょっとした潮(資本)の動きによって、流されてしまうリスクも存在し、リターンの”期待値”としては高くない。


そこで2つを例に挙げることで整備されていないweb業界におけるブルーオーシャン戦略を考えてみる。




楽天が対抗する、「医薬品ネット販売規制問題」≫


一般用医薬品の通信販売継続を求める署名
http://event.rakuten.co.jp/medicine/net_signature/


一言で言えば、
テトラポッドを手前に置き過ぎなんじゃないか?もっと沖まで安全に泳げるでしょ!」
というもの。


署名の数がそれの証明であり、
「これだけみんなが『もっと沖まで泳ぎたい!泳げる!』って言っているんだから、もっとテトラポッドを沖に置きませんか?」
という署名運動である。


テトラポッドの位置に対する個人的な意見は別議論になるので、触れないが、
この方法によってブルーオーシャンを生み出す側になることができる。


非常に強力な戦略である一方、テトラポッドを動かすための絶対的な資本力が必要になる。




≪各PR会社のWebを中心としたPR戦略≫


一言で言えば、
「まだテトラポッドが置かれていない状況だから、どこまで泳げばNGか試してみよう」(フロンティア精神)
もしくは、
「まだテトラポッドが置かれていない状況だから、遊泳禁止だけど泳いじゃえ!」(確信犯)
というもの。


二者の違いは前回のblogでも書いた通り。


ルールのないところにサービスが出来上がる時って、こんなものかもしれません。
彫刻と同じように、最初荒削りにあーでもないこーでもないとなり、
だんだんと細かい部分が削られ、サービスが出来上がる。

イオニアとして、本当に最終的なサービスのデティールを探して見極めようと
しているのなら素晴らしいことですが、
もし、今のPPP推奨会社がその荒くて大きな削り節の恩恵だけを目的としているのならば、
事業会社のあり方として素直に賛同できません。


最近の例としては以下の通り。


サニーサイドアップ社のクォーターパウンダー・サクラ行列
・サイバー・バズ社のペイパーポスト広告
・トレンダーズ社の社長blogによるステルスマーケティング


クォーターパウンダーにサクラ疑惑
http://shadow-city.blogzine.jp/net/2008/12/post_ee77.html


■[BR]ブロガーズネットワーク再考 その5(チミンモラスイ?)
http://mapz.exblog.jp/9795497/


テトラポッド設置が追いついていない区域で関係者が、
「まず、網を張ろうよ!」
と委員会を発足させ、ガイドライン(網)を策定するようなところも多い。


ROMメインではあるが、私が参加させて頂いているML「clip-marketing」でも話題になっている、
WOMJ委員会などがその一例である。


■WOMマーケティング協会
http://womj.jp/index.php


しかしながら、関係者の都合良く網の範囲を決めてしまえるので、
「その網の張り方、おかしいでしょ!」
と他人から後ろ指を刺されるケースも絶えない。


また、「サイバーバズ社提供、googleJAPAN・PPP広告の、親からの制裁事件」のように、
企業そのものが委員会同様の存在となり、ガイドラインを策定するケースもある。


Google:サイバーバズのプロモーション活動中止 PayPerPost事業を手掛けたものとして
http://www.future-planning.net/x/modules/news/article.php?storyid=3747


ルールが軟弱である分、関係者のモラルが問われる戦略である。






上記のケースを踏まえ、webとスポーツを融合させ、ビジネスを行う上では、
モラルを保ち、「空気」を読み、”遊泳範囲”を自制することが重要。


自分たちに大きな資本が必要かどうかは本質的な問題ではない。
”適切な問題さえ生まれれば”、そしてベクトルを合わせることができれば、この世界においてはそれでいい。


彼にはまず、つくりたいものがあるんですね。
誰かのために、というのではなく、
「自分はこういうものがつくりたい」と思って
ひとりでダーッとつくっていく。
そうすると、自然に適切な大きさの
問題が生まれていくというんですね。
たとえば、自分のつくりたいことが、
この机いっぱいくらいの大きさだとすると、
「この机いっぱいの大きさのものをつくる」
と宣言してつくりはじめるんだけど、
人間ひとりのできることには限界があるから、
まあ、一部分だけしかできない、と。
そうすると、あいつが言ってたのに
できてないところがここにあるぞ、とか、
つくったというけど欠陥があるぞ、とか、
毎日毎日動きを続けていると、
適切な大きさの問題が
つぎからつぎに生まれるんだそうです。
で、それさえ生まれれば、
インターネット上にはそれを解決する人が現れる。

梅田望夫×岩田聡×糸井重里 「適切な大きさの問題さえ生まれれば」より)
http://www.1101.com/umeda_iwata/index.html


特にスポーツで儲けることに対する抵抗感は強いと感じている人は多い。


「スポーツを利用して儲ける」
「スポーツビジネス」


これら2語は本質的には同じではあるが、与えるイメージは全く異なる。
このエントリーのタイトルを見た大半の人が強い抵抗感を覚えたはずである。
「スポーツで儲けることは悪だ」という「空気」がそうさせている。


前述した楽天のケースも、国の感情的な「空気」が読み取れてしまう。
水泳で言えば、8年前の千葉すず選手の五輪落選のケースも「空気による決定」と言える。


「支配している空気」を読みながらも、それにとらわれず、本質を見極めること。
その上で「新しい職業」を形成する。


ティーブジョブスもスタンフォード大学卒業式のスピーチで言っている、
「Don't be trapped by dogma」(ドグマに囚われるな)と。


Apple創始者・スティーヴ・ジョブスの伝説のスピーチ(1)
http://www.youtube.com/watch?v=qQDBaTIjY3s&feature=related


Apple創始者・スティーヴ・ジョブスの伝説のスピーチ(2)
http://www.youtube.com/watch?v=ShoOOS2GrWU&feature=related




「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))

「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))