「八丈ブルー」での極上ホバリング体験と、岩礁での成功確率50%体験が、脳に与える影響について

「ここ、カメにたくさん会えるよ」



師匠の一言ではじまった日曜日の八丈島
天気予報を覆す彼のパワーによって、快晴となった空とは裏腹に、
エントリーポイントの海面のうねりは白く、高い。
移動前のスーパーに、前日よりもサーファーが多い理由が分かるようなコンディション。



「タイミングさえ合わせれば簡単に沖に出られるから」



岩礁に打ち付けられる白波を背に、手馴れたコメントを発する師匠。
沖に出ることが簡単なことに思えてきたので、入水。


波は次々と押し寄せ、岩と体をなかなか引き離してはくれない。
波が来るたびに体は揺すられ、傷ばかりが増えていく。


温室育ちのスイマーの泳力も、ビーチ育ちのサーファーのワイプアウト経験も、岩礁の前では無力。
プルアウト断念。


行けそうで行けない。もどかしさに比例して高まる願望。
「海馬」の著者、脳科学者の池谷裕二東京大学・大学院薬学系研究科・准教授は対談でこう語っている。



報酬をもらえるかどうかを
確率で決めたのですが……
(百%の時はいつでももらえる。
 〇%の時はいつももらえない)
いちばん快感の神経の動きが
おおきくなるのは
確率が五十%のときだったんです。


もらえるかもらえないか
よくわからないような状態って、
脳はすごく快楽を感じるんです。


おそらく、
先が決まってしまっていることって
脳はあまりうれしくないんです。

名残惜しさを残しながら、乙千代が浜に移動。
その昔、浜の名の由来にもなったお千代が泳ぎ息絶えたと言われる「沖の石」の根元に、優雅に泳ぐ大物発見。
真っ青な海の中で、日の光を浴びて白く照らされたまま沖へゆっくり消えてゆくアオウミガメは、
まるで竜宮城の使者であった。


沖の石を越えると、水深の深さに比例して、海の色の濃さが増してゆく。
推定水深20mの海はより一層その色を濃く、あまりの美しさに耳抜きをしながら、頭を地に向け逆さになり、
身を海に委ね、ゆっくりと地底に向かって落ちていく。




古代の海水と羊水のミネラルの成分比率はとても似ていると言われている。
そのような生理学的裏づけも手伝ったのだろうか、
「八丈ブルー」と表現される黒潮の濃く、鮮やかなグランブルーの深く広い青色に囲まれて、
頭の中をからっぽにしつつ輝く水面を見上げ漂う心地よさは表現しがたく、
未だ当てはまる言葉が見つからないほどであった。



東京都とは思えない、極上の体験。



以下、師匠との会話内容の一部。



江戸時代。
当時からヨーロッパの主要都市並みの大都市であった江戸に隣接する東京湾
水のきれいさに来日した欧米人は驚嘆したと言われている。


現在は一時の工業化による環境汚染を経て法による規制強化が進み、
工業排水の東京湾への垂れ流しに対し強い制限がかけられ、海の浄化が進んでいる。
海はかつての姿を取り戻しつつある。


今や東京の水道水も飲める時代。
6年前、つくばから東京に引っ越してきて最も意外だったことは、「水がおいしい」ことだった。
つくば市霞ヶ浦水系で元になる水が汚い一方で、東京は都民の血税により最高の技術を使い、おいしい水を作り上げている。
今やその高度な技術力は世界でも認められ、シンガポールを始めとした他国の水道インフラの整備を受託するほどである。
そのような蛇口から水が飲める状況下において、ペットボトルの水を購入し愛飲することは環境破壊の元凶となる。




東京湾八丈島
飛行機で約40分、同じ都内、もちろん海は繋がっている。
にもかかわらず、ふたつの海はまったく異なる表情を見せる。


水の原点、生命の原点である海と触れ合うことで、
水泳について考える前に、水についてあまりにも無知な自分に気づかされた。
そして無力であることも。


海はメッセージを伝えてくれる。
これからも海と接し、教えを乞い、そして得たことを共有できる輪を広げていきたい。

バッハ「マタイ受難曲」と参宮橋水泳練習会での笑顔が教えてくれた、あまり意味のなさそうなこと。


先日、三菱地所さんのご協力で新丸ビルの一室をお借りして開催された勉強会に参加。
バッハの「マタイ受難曲」について。


「宗教を学べ」


最近そう諭される機会がいくつか。特に海外生活の長い方々から。
そんなタイミングで勉強会のお誘いがあり参加。


まだまだ理解度は低く、さらなる勉強が必要ですが、
勧める彼らの言わんとすることが自分なりに少し理解できた気がします。
素直にもっと早いうちから触れるべき分野でした。


純粋に知的好奇心を煽られました。
テーマが3時間以上の大規模な音楽作品であり聖書と共に内容を紐解いていくという規模感。
ただしこの知的好奇心の源泉は規模感とは別の「学ばなければいけない」衝動にありそう。


一人称の「我」以前に、自身の生死を問わず流れる世の中の時間軸における、
自己の生きがいや存在意義を定義する上でこれらの勉強は必修科目と言えるのではないでしょうか。


ブログや直接的なコミュニケーションにおいて、読んだ本や勉強会、セミナーの内容をシェアすることは
日常的にありますが、どうも小手先の指南書やセミナーの感想が多いと感じていたところでした。


松下村塾は欲を扇動するような自己啓発をしていただろうか?
史に名を残す人物たちはビジネス新書を読み漁っていただろうか?


歴史、哲学、宗教、思想、道徳・・・


「目先の仕事に直結しそうだ」と緊急度にとらわれることなく、
重要度にフォーカスを当てると自ずとこれらの必要性が必然的に浮き上がるものです。








参宮橋。
土砂降りの中、オリンピックセンターでの練習会。


皇居駅伝で、野本氏に紹介頂いたランナーFさんも合流したこともあり、
自分のトレーニングそっちのけで急遽、臨時水泳教室開催。
腕や足の細かい動きについては一切触れず、体の重心について、1時間以上かけ3stepに分けて実践。
腕を伸ばしている側に体が”乗っている”感覚を身につけて頂きました。


「水泳ってこんなに楽だったんですね」
「もっとスカーリングとか部分的な指導が多いと思っていました」
「ほかの練習会でのフォーム修正よりも明らかに改善できたと体で感じた」
「早く本番で試したい!」


何よりも、笑顔が収穫。
本当、嬉しかった。


目に見える問題点はそれ自体に原因があるのではなく、
目に見えにくい、根っこの部分に問題点があることが多い。


でも目に見えるものほど、直したくなる。
そこにジレンマが生じやすい。


また、成熟期と成長期の指導は異なります。
成長期には体を支えるための、体の軸に近い、泳ぎのベースとなる部分を中心に、
成熟期にはベースが出来上がっているので、各々の持つ課題に対する局所的な指導になります。


広島カープ前田健太選手はボールのリリース時、スナップの力加減を変えることで、
今期前半から目覚しい活躍をされました。


ピッチングにおけるパワーは体幹のねじれから始まり、
肩の旋回、肘の回旋、手首の返し、そして最後に指先の球離れと伝わります。
それらの一連の流れの中で、前田選手は最後の枝葉と言える部分の上達がパフォーマンスを向上させた、
成熟期における典型的な例です。





本質。
本当に大切なこと。







一見、お金にならない。
一見、仕事とは関係のない。
一見、幸せを生み出さない。
一見、意味のない。


かっこよくない
かわいくない
みんなとおなじじゃない







周囲の声だとか、見栄だとか、私利私欲だとか、短期的な利益だとか、
本当に大切なことの前に立ち塞がる、目先の安心、安定、幸福。


拭い去るために必要なのは、かつては吉田松陰が、今は孫正義が伝え続けている、「志」にほかならない。


大志である必要はないと思う。背丈に合うなら、「小志」でも。


自分で決めれば、それでいい。

第4回おんじゅくオーシャンスイムレース 3kmの部 11位? 「ネガティブから得られること」


前回の湘南に続き、練習不足のまま、挑んだ御宿。


インカレを1週間前に終え、オフを満喫する学生スイマー達と外房の強烈な波に揉まれ、
オープンウォーターの厳しさを改めて思い知らされた。
揉まれる事で改めて上半身の強さ、体幹の強さの重要性を身を持って感じることができた。


レースを終え、翌日になっても耳の水が抜けない。耳を塞ぎ続けている感覚。
仕事中、人の声は聞き取りにくいし、耳の奥では炎症を起こし始めている。
一方で面白い感覚を身に着けることができた。
他の器官がさも発達したかのような、アンテナの高い状態。
味覚、人の表情、温度、湿度・・・いつもと違い、それぞれの輪郭がはっきりしていた。
食べていることを実感し、人の考えていることが伝わりやすくなる。
耳のための感性のアンテナを、他の器官に振り分けているようだった。




ネガティブであることは決して悪いことではない。
そこから何を得ることができるか。新しい次の自分のためのチャンス。




盲目のピアニスト、辻井伸行氏。
ヴァンクライバーンで優勝したあのショパンは、素人目でも鳥肌が立つ完成度。
彼を良く知る方から直接聞いた話では、中学生のころまでの彼は話題性が先行していたそうだ。
天才ではなく、努力。
ハンデをプラスに変換し、研ぎ澄まされた感性で努力された結果、世界を代表するピアニストに大成された。


今日、つらく悲しい出来事に遭遇した。
身近で見聞きすることはよくあるが、29年間生きてきて、初めての当事者感覚。
分かってはいたけど、覚悟はしていたけど、実際に目の当たりにして、伝わる現実。
昨日歩いた明治通りも、普段歩いている代々木上原も、いつもと景色が異なる。
いつもより色淡く、いつもより静かなのは、連休初日のせいだけではなかったはず。
普段は目に入らない人の動きや、建物の表情がいつもとは異なるメッセージを伝えてくるものだ。


昨日一緒に渋谷で飲んだ、仲良し姉さんの旦那に対する一言。
「彼を意識した最初のきっかけは、落ち込んだときに隣にいてくれたこと」。


悲しいとき、人は涙する。涙を流すとすっきりする。
副交感神経が優位になる、エンドルフィンが増加する、ナチュラルキラー細胞が活性化される。


とあるツイート発見。






ネガティブであることをネガティブと認識すること。
ネガティブにより得られる感性をインプットに繋げること。
ネガティブをパワーに変えること。


才能ある人たちはインプットに対する感度の高さが伝わる。
糸井氏の言葉をお借りすれば、「いい飯食ってないのに、いいうんこは出ない。」

http://www.nintendo.co.jp/n10/interview/mario25th/vol1/index8.html


アウトプットはインプットで決まる。
インプットはアンテナで決まる。


アンテナの高さや方向は感情によって変わる。
ネガティブな感情を意識的に利用して、アンテナの方向や高さを変えることで新たなインプットが得られる。
新たなアウトプットに繋がる。





しかしながら練習不足の言い訳にはならない。
次回は10/10鋸南アクアスロン八丈島でも練習します。

湘南オープンウォータースイミング2010 年代別(19〜39歳)4位 「序盤300mで失速した練習不足のクラゲスイマーが、赤字イベントの湘南owsについて、真剣に考える。スポーツ立国戦略とともに。」

試合前々日。


10kmの部を前日に控えた、ドーバー横断者ガクさんのtweetを見て血の気が引いた。


「今日は100件のクラゲ刺され報告があったそうです」
「最凶エボシ」




試合前日。


10kmの主力選手がゴールした頃に到着。
ガクさんに、「おせーよ!」と怒られる。くらげ情報追加。
脱いだらゴツい、一騎さんを見つけ足の様子を伺う、奥様にもご挨拶。くらげ情報追加。
通称”鵠沼合宿所”のホスト、エイコさんにご挨拶。くらげ情報追加。
ガクさんと共に会場を後にする際、10km最年長スイマーの方にご挨拶させて頂く。くらげ情報追加。




試合当日。


前日のエントリーで仕込んだクラゲ対策クリームを塗りこむ、塗りこむ。
塗りこみながら、周囲の顔をチェック。早稲田の現役国体選手、野崎選手発見。
昨年のヴェルディではスイムのみだったが、勝たせて頂いた。
今回は彼もスイム単体であり、また自分の練習不足を考慮すると、やや劣勢と目論見、ベンチマークすることに決める。


スタート直後は快調、地元の高校生らしき対象外を除いてはほぼ先頭の位置。
やや後方からスタートした野崎選手はまだ上がってこない。


ブイもまだまだ先に見える300m付近、意外にも徐々に腕に疲労が溜まり始める。
野崎選手は後方から上がってきて並走状態に。
練習は嘘をつかない。この1ヶ月で1回しかプールに入っていない体は、心とは裏腹に、素直過ぎるくらいに疲労に反応する。
1kmほど泳ぎ野崎選手のスピードについていけなくなる。
彼が速くなっているのではなく、自分のスピードが落ちていることは全身を抜ける水の感覚で分かる。
野崎選手は遠ざかる。他のスイマーにも抜かされていく。


クラゲ。
レース前々日から意識し始めた、その遊泳力の弱い生物のように、私は腰越漁港沖500mを力無く漂い続ける。
彼らは外部から刺激を受けるとトゲを刺し、対象物に毒を与える。
スポーツマンシップに則り、泳ぎましょうっ!!」
レース直前にレースディレクターからの爽やかなアナウンスによって響き渡った宣言の効果もあり、
背後から迫る後続スイマーに対して、私はトゲも毒も与える気にはならなかった。


野崎選手から遅れること2分。結局20代で4位フィニッシュ。
ここ2年間の中では物理的にも精神的にも肉体的にも一番くらげに近づくことができた、そんなレースでした。





レース後は昨年に続き、”鵠沼合宿所”にて打ち上げ。
「湘南owsは参加費が高いから出ない人が多い。」
そんな言葉を聞きながら、帰りの小田急線でイベントマネジメントという観点から湘南owsについて考えました。


情報量が少ないので確定的な前提条件が出せないのですが、数千万円の赤字が出ていると聞いています。
一昨年から、日本財団、つまり日本船舶振興会からの助成金が無くなったためです。


損益は「売上げ-コスト」の引き算。
よって収益改善のためには売上げを上げるか、コストを下げるか。
分かる範囲でさらに分解していくと。。



≪売上げを上げる≫
・参加者一人当たり単価を上げる
・参加者数を増やす
・その他


≪コストを下げる≫
・人件費を下げる
・コース関連費用を下げる
・その他



こんな感じでしょうか。それぞれを分析していくと、、



≪売上げを上げる≫
参加費が高いことを理由に参加辞退をされている人が多い話を聞いている以上、単価の引き上げは難しいと思います。
適切なプライシングによって全体の参加料収入を上げられる可能性はあると思います。
また、コンテンツのエンタメ性向上や認知度向上によって参加者数を増やす余地はあると思います。


≪コストを下げる≫
毎年ライフセーバーとして参加されていた方からお話を伺う限りでは人件費は非常に少ない。
ほぼボランティアだそうです。しかしながら、弁当代、交通費等まで考えるとコストは人の数に比例して上がります。
コースも10kmのワンウェイコースを借りている以上、漁業組合、コース整備等で通常のレース以上に
コストが高いことが想定されます。どれくらいコストがかかっているかは不明ですが。



そこで提案。「コース変更」!
イベント単体で黒字化を目指すためにも、コース変更をおこなうべきではないでしょうか。
ワンウェイではなく、周回コースにすることでレース範囲をコンパクトにします。
得られる効果は、


≪売上げ面≫
・応援しやすい(周回毎に陸に上がるとなお良い) ⇒ コンテンツの魅力向上


≪コスト面≫
・スタート地点は二つも要らないため、会場設置費用が半減。
・漁業組合、コース整備等に関わる費用が減らせる?
・コースがコンパクトになるため、ライフセーバー等の海上スタッフも少数で運営可能。



箱根駅伝のように沿道で、地元の方々からの有難い応援があり、
選手にとっても区間毎のコース特性があり、それぞれ楽しみを持つことができれば、
ワンウェイである意味は強いと思います。


しかしながら、湘南owsの場合、500m沖を泳ぐ選手たちを応援することは難しい。
選手にとっても、ワンウェイならではのコースの楽しみを感じることは少ない。
それよりも応援をより身近で感じたい気持ちのほうが強い人は多いはず。


私自身が見えていない制約条件等はあるのかもしれませんが、
企業も事業もプロジェクトも、自立が存在の前提条件にあるはずです。
「単体で黒字であること」に強くこだわるべきではないでしょうか。
スポーツに関わるとどうもこの意識が弱くなってしまう気がしています。



先月26日には文科省により「スポーツ立国戦略」が発表されました。


一、スポーツ界の連携を目指す。全国300カ所を目安にして総合型クラブに引退したトップ選手など優れた指導者を配置し、地域スポーツに人材の好循環を図る


池田信夫氏の、「経済が成長しない限り雇用は増えない」という言葉はスポーツ界においても例外ではなく、
スポーツに関わる産業(に従事する人たち)が自立を強烈に意識し、経済活動をおこない自立し、
雇用を「自作」することがスポーツ界の現状課題であり、スポーツ立国戦略の本質ではないでしょうか。


菅首相「1に雇用、2に雇用、3に雇用」と叫んでいます。


スポーツ界従事者の意識改革。特に地域スポーツ。
伸びしろは大きいと感じています。


そのためにできることを考え、見つけ、一歩一歩進めていければと思います。

10/07/11 東京アイランドシリーズ 第16回新島オープンウォータースイミング大会 4.5km 優勝 「去年の優勝と二連覇との違いの中で感じた、水泳のフラット化について」


7月11日。


新島は青空で迎えてくれました。


前日までの天気の悪さがウソのような昨年を思い出させるような、快晴。
まるで二連覇を歓迎するかのような天候でした。


結果から先に申し上げてしまいますが、タイトル通りニ連覇を果たすことができました。
twitter、DM等で発破をかけて頂いた皆様、強弱様々なご声援(+脅迫。。)有難うございました。


お蔭様でゴール後に感じたのは、同じ大会の、同じ勝利とは思えないほど異なる感覚でした。
1年間の活動や交流の積み重ねを感じることができ、帰りの大型船の二段ベッドで、一人幸せな気分に浸らせて頂きました。


レース出場とインターネットを用いた活動により、
この1年間でたくさんの方とお会いさせて頂き、様々な形で大好きな水泳に携わらせて頂きました。


出会い。


ゴール直後、面識のある方無い方から(準優勝のケビンからも)祝福のお言葉を頂きました。


会場を出た直後、湯の浜露天温泉で渋トラ&しまじまんずの皆様、大島さんらと打ち上げ。


青少年センターに戻り、牛乳せんべいでお馴染み池村商店の池村社長、「嶋自慢」持った金茂商店の金茂さん、
などなどが続々と集まり夜遅くまで宴会に。


オリーブグリーン色に輝く、美しい新島ガラス製のトロフィー(●万円相当)には、
祝杯と称して渋トラ名物MOETや島焼酎「嶋自慢」を注いで頂き、美酒に酔いしれました。


東京に戻ってからは、大島さんに某店をご紹介頂き、大変美味しい海の幸を頂き、
店の常連、長身スイマーS氏も合流。オープンウォーターの勧誘も。




話は変わりますが、先日クライアントの社長と趣味の話になり、
そこで実は彼が最近オープンウォーターを始めたことが判明しました。


次回の出場レースが9月11日の御宿であることを知り、追うようにして当日に即登録。
翌日社長にお伝えをさせて頂いたところ、今までに無くフランクなお言葉を頂き、
勝手ながら距離を近づけることができたと感じました。




取引先でも、上司でも部下でも、知っている人でも知らない人でも、
この1年間で水泳を通じて多くの方と交流させて頂く事ができました。


最近感じることがあります。
水泳競技のシンプルさがフラットで良好な人間関係を構築しやすい土壌を生み出しているのではないかと。



「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」福沢諭吉



フラットなのは本来水の中に限ったことではなく、普段の世の中も本来フラットですが、
収入、ポジション、所属、家柄、見た目、言葉、など、
そう思わせないような要素が複雑に多数あるため、それが感じにくいのだと思います。


水着一枚、老若男女問わず、非常にシンプルな環境下で、同じ方向を目指し、ただ泳ぐ。
この要素の少なさ、シンプルさが、普段気づきにくい、本来世の中がフラットであることを教えてくれるのかもしれません。


一方でジュニアスイマーを中心としたトップスイマーを取り囲む環境において、
「速ければ良い」風潮があることは現役時代の紆余曲折を通じて肌で感じました。
今井亮介さんのblogでは生々しい実体験がブログを通じて描かれています。


■諦めなかったことが僕の自慢
http://ryosukeimai.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/post-0d5f.html


自分のblogも見返したら、ちょうど2年前に同じようなことを書いていました。


■「選手として、人としての認知」 アフロスポーツ スポーツ報道写真展「IMPACT」を観て雑感
http://d.hatena.ne.jp/yamaur/20080713/1215946210


これらの風潮が選手の考え方、行く行くはセカンドキャリアに悪い影響を与えている可能性は否めません。
先日もtwitterでつぶやかせて頂きましたが、最近元トップスイマー(五輪選手含む)によるネットワークビジネス
はじめとした良い評判を聞かない勧誘の話を頻繁に聞きます。
(しつこいようですが、ビジネスモデルそのものを否定しているわけではありません。)
マスターズスイマーからの勧誘を行うコーチの噂があったり、
勧誘を理由にコーチが辞任に追われたケースがあると間接的に伺っております。


社会人足るもの自己責任、と言われてしまえばそれまでなのですが、
これらの活動も元をただせばそれらの風潮がルーツとなっていると思います。


この辺りの問題意識を共有させて頂いている方々とは改めて連携し、
少しずつですがフラット化活動を推進して参りますので、皆様、宜しくお願い致します。
(言葉は穏やかですが、心は最近になり穏やかではなくなってきました)



※写真は宮島のときのもの。オーシャンナビ守谷さんのブログにも取り上げて頂きました。
http://www.ocean-navi.com/cgi-bin/news.cgi?mc=01&pvc=100716101850

【結果報告】はつかいち縦断みやじま国際パワートライアスロン大会2010 リレーの部 5位(区間1位)「新島二連覇に向けて現役プロアスリートから頂いた無言の教えと有言のアドバイス」


伊藤博文
夏目漱石
森鴎外
昭和天皇陛下
古橋広之進
小泉純一郎


大会前夜。


東京から応援に駆けつけてくださった、サポーターの御計らいで泊まらせて頂いた、宮島の名宿「岩惣」。


■宮島「岩惣」
http://www.iwaso.com/


誰もいない新緑映える深夜の桧風呂に浸かりつつ、錚々たる歴代宿泊者を思い浮かべながら、翌日の本番に向け、
どう歴史に名を刻もうか、イメージしてみる。



少し大げさな表現でしたが、普段は遊泳禁止であろう世界遺産の鳥居の下からのスタートという、
大変厳かなレースということもあり、またプロのトライアスリートと肩を並べてスタートが出来るということで、
練習量とは間逆ですが、いつものリレー競技とは異なる、テンションの高さで競技に臨みました。


目標は、スイム区間トップ。
リレー種目のトップではなく、個人合わせて約400名中トップでの"本土上陸"を目指しました。


武友潤選手。
現在、日本ランキングで8位に位置する競泳出身の現役プロトライアスリートで、去年のこの大会の優勝者。
去年の区間タイムを見ても、彼以外にライバルは見当たりませんでした。



スタートは楽にスムーズに。
干満の差が3mもある瀬戸内海。満潮時の鳥居周辺は足も着かず、初めてのフローティングスタートでしたが、
スタート後100mくらいで集団を抜け出し、先頭に立ちました。


海の試合で先頭に立つことの気持ち良さは、去年の新島で味わって以来、病みつきに。
前には誰もいない海が広がり、後ろには多くのスイマー達。
そう何度と味わえるものではありませんが、コースロープで区切られた室内プールでは味わうことが出来ません。
拓けた視界と、心地良い疲労感が必要以上にドーパミンを促している、久々の感覚。
鳥居の前で大変おこがましいのですが、「制覇」という言葉が頭の中を過ぎりました。


そんな新島以来の感覚は去年のチャンピオンの”せっつき”により一瞬にして消え去りました。
私が集団から抜け出した直後から、どうやら彼は真後ろに付いていた様子。
オープンウォーターと競泳の違いのひとつですが、人の後ろに付くことで、水抵抗を最小限に止めることが出来ます。


スピードが落ち着いてきた私を見かねて、後ろから足を叩いてきました。
かと思えば腋下に近づいてきて、無言のプレッシャーを与えてきました。
競泳とは異なる、初めて味わうプロとの駆け引き。


スイムで勝負をかけている(一方的)以上、相手に体力面で有利な戦いを避けようと、
バテたふりをして、後ろに下がりましたが、意図的なのか彼の後ろに付くことは思った以上に難しく、
気づいたらまた前で泳いでいたり、並走したり、惑わされているようでした。


結局、直後に急勾配を上るバイクが控えている武友選手にあっさりスパートされ、
仕事の忙しさを理由に、月間10km程度の練習量では踏ん張ることも出来ず、悔しくも約30秒差でトランジッションへ。


2時間30分の急勾配バイク、そしていつもの"常勝"パートナー野本氏の1時間20分の20km走を終え、リレー5位でフィニッシュ。



レース直後には過酷な3種目を終えた武友選手と表彰式直前までお話をさせて頂きました。
共通の知り合いの話題のおかげ様、大変お疲れの中、とても有意義なお話をお伺いすることが出来ました。
現役日本ランカーの最先端のお話はお金を出して買えるものではありません。


出し惜しみしているものもありますが、おもにこんなことを教えて頂きました。



・プールでは遅いのに、海では速い人の共通点は、プルが強いこと
・バタ足が異常に遅いプロトライアスリートは多い
・浮力を生かして体を上下させながら泳ぐ泳ぎ方は有効
・上半身は「より高く、より前に」が基本
体幹のローリングは人による。競泳と違ってまったくしない人もいる。
・ウェットスーツは日本製が断然質が高い
・ウェットスーツは体系の変化に合わせて都度補正をするべき
・ウェットの中に水が入ってくることは良くないので、補正をするべき
・ロングジョンよりはフルスーツ。腕は動かしにくいが、浮力が全然違うのでフルスーツのほうが速い
・人の腋下について泳ぐ方法が一番省エネ。400mで10秒くらい違う選手でも楽に併走できる
・腋下の次は足首が見える位置。ヘッドアップをしない分、無駄な体力消費が無い
・100mのスピードは要らない、五輪選手で100mは全力でも59秒しか出ない選手もいる
・ブイの回り方はテクニックによって全然タイムが変わる。回る瞬間に前の人を飛び越えると勢いに乗れる



来週は2連覇がかかった新島オープンウォーター4.5km。


相変わらずお恥ずかしい限りの練習量ですが、私の語彙力では表すことの出来ない、去年のあの気分を再び味わうべく、
武友選手や福岡の今井亮介さんから教えて頂いた理論を参考に、勝ちにこだわりたいと思います。


朝早くから応援頂いた三井楽走会のお二方(写真、使わせて頂きました)、
東京から来てくださったスペシャルサポーター、
広島支店メンバー、
鳥居に対抗して、海中観覧車を提案してくださった小泉さん、
ごうはらさん、野本さんとそのご家族の皆様、
東京出発前に発破をかけて頂いた皆様、
レンタルサンクスgakuさん、
ご声援有難うございました。


【結果報告】第20回かすみがうらマラソン「スイムを置いて、6'/kmから4'30"/kmへ。クロススポーツ実践に向けてのベース造り」


目標というものは多数に対して宣言するほど効果があるということは
現役時代に何度となく実感させられたものですが、
今回はblogという不特定多数向けの発信ツールを使った新しい宣言方法で、
自分にどれだけの圧がかかるものなのか、未知数でした。


アクセス解析で閲覧数をチェックしたところで、何らプレッシャーを感じることはありませんでしたが、
「ブログを見たよ。」
「目標どおり順調?」
などと直接お声をかけて頂く度に、実感が沸いてきて「目標達成できない」という選択肢が
徐々に認められない状況になりました。


「宣言」は同時に手助けを生み出します。
1月のハーフマラソンで6分/kmの人間が5分/kmで走るために、
その力の差を埋めるために、周囲の方々が見兼ねて手を差し伸べてくださいました。


普段はスイムのコーチとして参加させて頂いているチームのメンバーの方々。
スイムの経験上、プールでは指導をさせて頂いていますが、陸の上では下っ端。


東京体育館で初めての陸上インターバルトレーニング
辰巳国際水泳場のスイムトレーニング前の長距離走
レーニング部長の厳しい目の下、一人練習では許される妥協もできず、
刺激あるトレーニングを行わせて頂きました。


普段はアクアスロンのパートナーとしてタッグを組む野本氏。
日常的にフォームや練習メニューに対するアドバイスを頂くのみならず、
皇居ランに誘って頂き、追い込み練習を2度実施。
一人では追い込み切れないほどの強度で走れるよう5kmを引っ張って頂き、
1回目の皇居で21分30秒、2回目では20分50秒で走り、脚力と自信を身につけました。


1月30日のエントリーで宣言した「目標」は、下記の通り。


4月18日 かすみがうらマラソン 10mile(16km) 目標: 4'50"/km



本番10日前は雨と飲みを理由にまったく走れず、体重も増加。
1月に比べ3kgほど減りましたが、目標までは4kg足りず。
ようやく走る時間が確保できたのは前日。
織田フィールドで6kmほど4'〜5'/kmの色々なスピードを試しながら、
自分の感覚値と実際のタイムとの差を体で覚えさせる。


レース直前にtwitterで前日の練習内容の呟きを見たメンバー2名から、
「前日練習なんて、絶対疲労残るよ!」
と脅されるも、現役時代に培った感覚を信じる。
競技は違うが、トレーニング方法や体の作り方には共通点があるはず。
これぞクロススポーツ。


結果、1時間12分34秒。



4分32秒/kmペース。目標を大幅に上回ることが出来ました。
野本氏と話して裏で立てていた理想の目標が4分30秒/kmなので、ほぼ理想通り。


クロススポーツの有用性を語る上で、自ら実践することが大前提であり、
今回のかすみがうらマラソンは今まで全く走れなかった自分のベース作りの手段として活用させて頂きました。


サンセットブリーズ保田の丹埜さんに以前言われた、
「10km40分までならトレーニングすれば誰でも出来る」
という言葉に倣い、目標を上方修正し、
年内には10km40分の走力を身につけたいと思います。


この2ヶ月間、ランにウエイトを置き、スイムは月に1〜2回程度。
次回6月の宮島トライアスロン(リレー)までには泳力を戻しつつ、
走力をキープさせたまま、落ち切れなかった体重を落とし、軽量化によって、
ランのパフォーマンスを向上させたいと思います。


ランのトレーニングを通じて感じた、クロススポーツの有用性については、
時間があるときに書きたいと思います。